概念
埼玉みらいクリニックでは、2020年5月11日以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体検査を開始することとしました。抗体検査を行うことで、新型コロナウイルスに対する免疫を所有しているかどうかが判明いたします。
抗体検査とは?
診断に行われているPCR検査は、咽頭ぬぐい液や喀痰から微生物の遺伝子(正確には核酸)そのものを調べています。一方、微生物に感染すると身体はそれを排除しようと防御システムを作動させ、抗体と呼ばれる蛋白質を産生します。
一般的に、感染初期にはIgM抗体が上昇し、その後消失していきます。その後IgG抗体が出現し、このIgG抗体はその後体内に残り、再感染の際にウイルスを中和し感染を防御することから「獲得免疫」とも呼ばれます。
今回の抗体検査は、上記のIgM抗体とIgG抗体の測定を同時に行える迅速検査になります。
抗体検査の目的は?
IgM抗体の検出:初期の感染を示し、感染の早期診断に役立ちます。
IgG抗体の検出:新型コロナウイルスは感染症の多くが無症状であるという報告があります。
すでに免疫を獲得していれば(IgG抗体が陽性)、今後新型コロナウイルスに罹患する、または他者へ感染させるリスクがなくなることになります。
※ 一部では再感染の報告や、時間とともに免疫が薄れていく可能性の報告もあるため絶対ではありません。
抗体検査の方法
当院では、シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社が販売する、抗体検査キットを用います。 本製品は米国FDAの緊急時使用許可に申請中で、既に北米を中心とした世界各国での販売も開始されています。
特徴・メリット
- 血液1滴で診断が可能
- 短時間での診断が可能(約10分)
- 高い精度(陽性的中率:約93%)
陽性的中率:検査で陽性と診断されたとき、実際に陽性である確率になります
注意事項
・抗体検査をコロナウイルス感染症の確定診断に用いることはできません